いにしえの桜

      

地元でもごく少数の人しか知ることのなかった桜の古木

 

過疎により山仕事をする人も減り

うっそうと茂った雑木の中に埋もれて数十年が経過

その存在すら忘れ去られようとしていました

 

しかし その静かな生息は、偶然から一変

樹高二十メートル超のその荘厳で太鳳やかな姿を

令和を生きる我々の前に現すこととなりました

 

この過程を

樹齢百年を超えるこの桜自身が知っていたのか

望んでいたのか

全くの不測の事態に戸惑っているのかは知りえませんが

この混とんとした時代に

明るく穏やかな未来への祈りをもたらしてくれた

いにしえからの桜に感謝です

樹木は言葉を話しませんが

心に響く想いを感じます